仙台家庭裁判所 事件番号不詳 決定
本籍 山形県○○○郡○○町大字○○字○○○○九
住居 仙台市○町○○○○二○○少年(中等少年院)内
在院者 伊勢正男(仮名) 昭和十一年一月八日生
主文
東北少年院在院者伊勢正男に対し昭和三十三年五月十六日を限度としてその収容を継続する。
理由
在院者伊勢正男は、昭和三十年五月十七日山形家庭裁判所鶴岡支部において窃盜、詐欺保護事件により中等少年院(○○少年院)に送致され、その後引続き同少年院に収容されている身であつて、昭和三十一年一月七日の経過とともに満二十歳に達し、同年五月十六日の経過とともに送致後満一年に達するので、同少年院の長から少年院法第十一条第二項に基いて同人の収容を継続すべき旨の決定の申請が適法になされた次第である。
よつて、按ずるに、同少年院長千○○郎及び当庁医務室技官山○○夫の各意見、並びに当裁判所の調査の結果を綜合すれば、本人は意思薄弱であるうえ、即行性々格の持主でそれにこれまで屡々逃走企図、器物破壊等の非行があり、従つて本人の同少年院における生活行動並びに精神状態は不良で、その犯罪的傾向が矯正されているものとは到底認めることができない。
而も、本人の家庭環境は未だ調整すべき点が残存しているように思われ、それに本人が今出院するも直ちに受入れてくれる適当な社会資源もないような状況であるので、諸般の事情に鑑み、かりに本人を出院させて一旦家庭に復帰させるも、再び非行を繰り返す虞れが多分にあると認められる。
以上説述した点及び本件調査に現われた諸般の事情並びに仮退院後の法定保護観察の期間の点等を併せ考えると、本人が同少年院に送致されて満一年に達した日の翌日である昭和三十一年五月十七日から満二年の期間、即ち昭和三十三年五月十六日を限度としてその収容を継続することとするのが相当であると認める。
よつて、少年院法第十一条第四項に則り主文のとおり決定する。
(裁判官 平川実)